「世界で一番美味しい日本米で、世界で一番美味しい米麺を作る」という思いで作り上げた当店オリジナルの生麺フォー。ベトナムの生フォーと比べて、もちもちとした食感と、米の香りがあるのが特徴です。
ブンはベトナムでは、フォーよりも一般的。特に細ブンは汁麺や炒め麺だけではなく、茶碗に盛って、おかずをのせて食べたりもします。生春巻きに入っているのも、細ブンです。押し出し法で作られた丸い形状で、細いもの太いものがあります。地方によってブンを使った料理にバリエーションがあります。当店でも様々な料理に使います。
細ブンに比べると太ブンの出番は少ないですが、細ブンとはまた違った食感で、当店では2005年から製麺をお願いし、店舗にてお出ししているおなじみの麺です。当店のブンはベトナムよりもこしが強いので、食べ応えがあります。ブンボーフエや、ブンリュウクア(海老団子入り蟹汁米麺)など、強い味のスープとよく合います。
ハイフォンのバインダークア(蟹汁バインダー)が有名です。バインダークアには糖液を加えて茶色く色づけするバインダードーを使用しますが、当店でも白いプレーンなタイプと、茶色いバインダードー(クア)の2種類を製麺。冬期限定で、「煮込みフォー」と、「バインダークア」を販売しています。フォーよりも幅広で、つるつるもちもちの食感が特徴です。これを鍋に入れて食べるのが絶品。
米麺の生地です。まとめるのが大変難しい…。
ベトナムでは、フォーは生麺が当たり前。しかし日本では、製麺技術の難しさとコスト高のために、どのお店も乾麺のフォーを使用しているのが実情です。
チョップスティックスでは、ベトナムと同じ生麺を使用したいという「こだわり」と、日本のお米は世界で一番おいしく、そして安全であるという「思い」から、日本のお米を使用した「日本初の生麺フォー」を開発しました。
誰も経験したことがなかった、日本のお米を使うフォー作り。連日試行錯誤を繰り返しながら、自信を持ってご提供できる生麺フォーを作り上げるまでに半年を費やしました。出来上がった生麺フォーのコストは、乾麺のなんと約4倍!他店では味わえない特別な麺だと自負しております。
デリケートな生麺フォーの仕上がりを左右するお米の状態や気温、湿度は、日々刻々と変化していきます。常に最上の生麺フォーをご提供すべく、2003年の当店創業時から、「生麺フォーとの対話」が毎日繰り広げられています。
麺の生地を薄くのばします
裁断します
1玉づつ丁寧に取り分けて完成!
当店ではあえて困難な日本米を使った生麺フォー作りに取り組み、皆様からご好評をいただいております。
開発当時の苦労話を、現在も生麺フォー作りをお願いしている吉野製麺所の吉野邦明さんから伺いました。
※この生米麺に関するお問い合わせは、チョップスティックスまでお願いいたします。
(03-3330-3992 info@namamen.com 担当 茂木《モギ》)
※吉野製麺所では対応致しかねますのでご了承ください。
◆未だかつてない麺を作り上げる喜びと苦悩
「日本米は世界で一番うまい。日本の米を使って世界で一番うまい米麺を作りたい」
そう茂木さんに相談されたとき、未だかつてない麺を作り上げるのだという喜びを感じました。今までありとあらゆる麺を作り続け、製麺技術には自信がありましたから、俺ならできるという自負も持っていました。
が、いざやってみたら、できない…。米は粉にすると、小麦粉のようにつながらない。ベトナムの手作業による製麺方法は、人件費の高い日本ではとても無理。日本の米による、日本人の好きなこしのある麺を、低コストで作るということは、想像以上に厳しい課題でした。毎日毎晩、どうしたらと悩み、作り、失敗し、また悩み、作り、失敗…。まあ、そんな悩みのどん底にいる時に、見かねたおふくろの鶴の一声からピーンとひらめきが走り、何とか米の麺を作ることができました。おふくろには本当に感謝です。
◆難航したスープと麺との相性合わせ
しかし、問題はここからです。茂木さんは毎日、私の製麺所に食材を持ち込み、スープ作りをします。「このスープにあう麺にしないといけない」。汁麺というのは、スープと麺の相性、バランスがとても大切で、私が何とか作りだした米麺は、こしが強すぎたり、米の味が強すぎたりして、あっさりとしたフォーのスープには合いませんでした。毎日茂木さんが作るスープで麺を試食しながら、これをあと5%、そしたらこっちは5%…と、粉の配合割合を少しづつ調節していきました。
そんなこんなで数ヶ月。ようやくたどりついたのが、もちもちとして、ややコシがあり、米の香りがふわっと漂い、つるりとしたのどごしが自慢の、チョップスティックスのフォーです。
◆今も続くおいしい麺作りの努力
私に言わせると、「苦労した」というレベルではなく、「不可能を可能にした」と言っても過言ではない作業であったと思います。よりおいしくするために、今でも調整を重ね毎日努力を続けています。
※生麺フォーは、少量のグルテンを含みます。また、製造工程にて小麦粉およびそば・鶏卵を扱う機械を使用しております。