ベトナム料理とは

What is Vietnamese food?

チョップスティックスで味わえるベトナム料理は、フォーだけではありません。
そもそもベトナム料理とはどんなものなのか。
当店のメニュー開発にご協力いただいた、ベトナム料理研究家の
伊藤忍さんにお話をうかがいました。

まずはベトナム料理について説明をお願いします。

日本料理が「素材の持ち味を生かす料理」とするならば、ベトナム料理は「素材と調味料、
香味野菜などとの相乗効果を狙った料理」と言えるでしょう。
さらにはその食べ方は「料理の最終形を各自でクリエイトする料理」とも言えます。

「味の相乗効果」とは?

例えば現地でよく出される「青いパパイヤのサラダ」。シャキシャキの青いパパイヤが主役となり、それにピリッと辛い生の玉ねぎや、お店によってはプリプリの海老、脂身の多いゆで豚を加えたりします。これに甘酸っぱいベトナム料理らしい味付けをします。ヌックマムの塩気と風味、砂糖の甘味、レモンの酸味…と複雑に味を作り上げます。ヌックマムの塩気が立つわけでもなく、砂糖の甘さだけが立つわけでもなく、レモンの酸味だけが立つわけでもなく、それぞれの味が同じように感じられるようなバランスで味を付けていきます。さらには香りの良いハーブ、ピーナッツや揚げねぎなど、油気があり食感の良い材料も加えます。これらを全て1皿に合わせていくと、ベトナムらしい味が初めて完成するのです。

「最終形を各自でクリエイトする料理」とは?

この「青いパパイヤのサラダ」を現地で食べる時には、すでに調味料であえてあるのですが、これにプラスして、さらにヌックマムと、砂糖、レモン汁で作った甘酸っぱいタレが添えられます(注:チョップではタレをお付けしていません)。ベトナム料理では、このように料理といっしょにタレが添えられることが非常に多いのです。これらのタレは、食べる時に自分の好きな味の濃さに調節するために添えられます。調整可能なように、料理にはいつも80パーセントの味付けを心がけます。このように自分の味を作ることができたり、最終形の味をクリエイトできたりするのもベトナム料理の大きな特徴の1つです。
そんなベトナム料理の特徴を生かすべく、例えばチョップスティックスでベトナム料理を召し上がる際には、卓上のヌックマムや風味付けされた酢を足してみたり、料理によってはレモンが添えられているので絞ってみたり、更には唐辛子やチリソースを別にオーダーして加えたりするなど、自分で味をクリエイトしてみてはいかがでしょうか。

ベトナム人が毎日食べているベトナム料理を…

一口にベトナム料理と言っても、いろいろな種類があります。日本にある多くのベトナム料理は、日本料理における天ぷら、すき焼き、お好み焼き…などに当たる『代表的な名物料理』が多いですね。これらの料理は確かにおいしくて私も大好きですが、現地に住んでいて感じたのは、「ベトナム人が毎日食べている料理の方が、より日本人の口に合う」ということ。そんな『毎日食べられるベトナム料理』があるのが、ここチョップスティックスです。ベトナム人が朝食に食べるフォーの他、白いご飯に合うおかず、お酒に良く合う炒め物や串焼きなどのビアホイ(居酒屋)的メニューなど、ベトナム屋台の雰囲気が漂うお店でいろいろな料理をお楽しみください!

《おまけ》当店のオーナー・茂木との出会い

茂木さんとは、2002年にベトナムで出会いました。当時私がマネージャーを勤めていたベトナム・ホーチミン市のカフェ&料理教室「La Fenetre soleil」の料理教室にある日、茂木さんが参加したのです。なんでも、日本でベトナムのフォーの店をやるとかで、その研修のためにベトナムに来たとのこと。料理教室では「これからのベトナム料理談議」で盛り上がりましたが、連絡先も聞かないまま、その時はお別れしてしまったのでした。

その後、私が3年半のベトナム滞在を経て日本へ帰国すると、一足先に高円寺でベトナム雑貨店を営み始めたベトナム滞在仲間から連絡が…。「高円寺にフォー屋ができたんだけど、その人、忍さんのこと知ってたよ!」それを聞いて、私はすぐにそれが茂木さんだとわかり、早速お店に行って茂木さんと再会を果したのでした。

「有言実行の人」これが私にとっての茂木さんの印象です。

伊藤 忍 (いとう しのぶ)
ベトナム料理研究家

約4年のベトナム暮らしの後、現在日本にてベトナム料理教室やベトナム料理店のプロデュース、執筆を中心に活動。当店のオーナー・茂木とは、 銀座のベトナム料理店「ラ・スコール」が2005年にオープンした際、メニュー開発を共に担当した。
詳しくはこちらのウェブサイトをご覧下さい。ベトナム料理情報満載です!
http://www.vietnamfoodnet.com